住宅のご相談を頂いたお客様より手掛けられた建物が観たいとのご要望を頂いた。家を建てることから家を案内するのが良いのはわかっているけれど、住んでるお客様の家はそれぞれに暮らされ、お伺いするのにもお互いに気を遣わせることもあり、以前手掛けた音楽教室と2年前に手掛けた看護サービスを提供する2つの建物を案内しました。(看護建物の報告は利用者のプライバシー保護のため写真なし)
6年前に竣工した音楽教室。竣工したばかりの頃の床に張った杉板が真新しい。
現在の教室内部の様子。床板が経年変化により飴色に変わり表面にはあちこち凹みや傷跡。でもオーナーさんはこの変化を生徒の子供たちがこの教室に来てはいつも床にダイブしたりと楽しそうに過ごしてくれてますと喜んでいらっしゃった。特に杉床板は柔らかく凹みやすい素材だけど、時間の経過と共に色合いが変化しいろんなものを刻み込みながら味わいが出るところがいい。
今日はひな祭りということもあり玄関ホールの飾棚にきれいにお雛様が飾られていた。お客様を案内するために伺ったつもりがほとんどオーナー様自らが自慢話しのようにお客様にあれこれと語ってくれていたことが有り難かった。自分で自分の考えたことを口にすることも大切であるけれど、やはり使っている立場からのことばに勝るものはない。もう1件の看護を提供する建物の方でもオーナー様から同様のことばを頂き、設計者として建物共に認められるという喜びを味わえた。この糧をバネに次の創作に繋ぎたい。