木造住宅の高断熱工法の技術研究と普及活動に取り組んでいる「新木造住宅技術研究協議会(新住協)」。当室もその会員として新たに省エネ住宅を設計施工するための解説書が手元に届きました。
近年気候変動や環境負荷低減などの動きから建築分野においても省エネ意向が高まり、住宅部門も平成25年に大きな省エネ法の改正が行われました(現在は平成28年基準)。しかし国が設けている現行の制度はその地域での必要最低限の基準。断熱等級で表すと【等級4】が国の最高等級ですが、その等級レベルは数値で表すとUa値=0.87(地域5-7の値)。最高と表記があると高い断熱レベルにも思えますが決して高い数値ではありません。この基準でも一定の温熱環境の効果や改善は得られますが、年間を通じより快適かつ健康的で小さなエネルギーで住める家にするためにはもう少し断熱性能の確保が必要なのです。
この解説書は大掛かりで高価な機械設備に頼るメカニックな家を目指すのでなく、あくまで窓や壁、床や屋根など家を包み込む外皮の気密や断熱の性能と外気との換気効率を高めながら、必要最小限の設備で国の基準の半分の燃料=燃費(年間冷暖房費)で快適な家をつくるための必須マニュアルであり技術指南書。暑さ寒さを無理に我慢することなく快適かつ健康に住むためにはしっかりとした基本書があり、数値でその根拠を確かめ、基本に沿った設計と施工の両立によって初めて得られます。
一方こちらは上記マニュアル本の中にも閉じられていますが、一般ユーザーの方向けの家づくりのパンフレット。内容は少し専門的なものとなっていますが、過度な設備に頼ることなくどのように省エネで快適な家を計画して行くか、ということについて根拠や理論を元に詳しく解説されています。
今回このパンフレットが数部手元に届きましたのでご興味のある方は当室へメールまたはお問い合わせ頂ければ配布致します。ただし部数の限り先着10名様までです。お電話では直接、またメールでのお問い合わせはメールフォームよりお問い合わせください。またご興味の方には家づくりの際のご相談にも応じます。どうぞお気軽にお問い合わせください。
家のデザインについては完成まで模型や紙面によって何度も確かめられます。一方で暑さや寒さについては住んでみて初めて得られるもの。※ただし現在は上述のように数値でその性能がどれくらいになるかを先に示せる時代になりました。こうした情報も家づくりのひとつに役立ててみてください。