宮崎県(主催:宮崎県環境森林部山村・木材振興課)(実施団体:一般社団法人宮崎県建築士会)が主催するみやざき木造塾2023へ参加することになり、昨日その第一回目の講義(現場見学会)へ参加してきました。
みやざき木造塾とは杉生産量を誇る宮崎の木材利用推進とその木材を用いた木造建築物の設計を担う建築士の養成を目的とした塾で令和元年から創設されたもの。塾の存在は以前より知っていましたが、今回実務で協力体制にある構造家の方からの誘いで参加することになりました。
第一回目となる昨日は「川上から川下までイッキ見!」とのタイトルで現場見学会の形式で県内で建設中の現場の他、プレカット工場、木材製材所などを案内を元に見て周りました。上写真は西都市で建設中の森林組合事務所の現場。屋根を支える木のトラス架構が印象的でした。
写真はプレカット工場の様子。プレカットとは製材を設計図に基づき現場で組み立てしやすいよう先立って切り込みや穴あけを工場にて施すこと。設計者としてその存在や何を行っているかは知ってはいるものの、こうして直に工場を見る機会はなかなかないのが実情。しかし見学すると木材の流通から材種それぞれの扱いの他、加工に至る機械の種類や工程など初めて知ることもたくさんありました。
プレカット工場見学の後、原木から加工に携わる木材会社(都城木材)の現場も見学。会社屋外の材木を保管する敷地には県産材をはじめ、近隣県から運ばれてきた材木が集積されていました。
敷地奥に保管されてあったケヤキ材。断面の大きさを示すためA4ファイルを置いてみました。おそらくここまで成長するのに何十年もの時が経ってものと推測。この大きな切り口から風雨に耐えて大きくなる木が持つ成長の逞しさみたいなものを感じました。まさに厳しい自然を生きてきた証です。
最後にこの製材会社の奥にある鋸研磨加工場を見学しこの日の講座を終えました。近年住宅以外においても木材を構造とした建物や活用方法が増えてきている昨今。木は使い方次第でいくらでも可能性がありまたストックにもなり次世代のスタンダードになると考えています。次回から専門家を招いての月毎での座学での講義。どんな学びを得るか楽しみです。