宮崎県児湯郡の建築設計事務所「とやま建築デザイン室」

宮崎県児湯郡にて住宅設計に関わるご提案を行っています。

月刊アーキテクトビルダー8月号

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新建ハウジング月刊誌アーキテクトビルダー8月号表紙の写真

当室で2018年より進めているBIMによる建築設計の取り組みが、このほど新建ハウジング月刊誌「アーキテクトビルダー8月号 DXらくらくワーク超入門」にDX事例のひとつとして掲載されました。

BIMとは「Building Information Modeling」の3つの頭文字 "B" "I" "M"を組み合わせ「ビム」と呼ばれ、近年建設産業の生産性向上や品質向上また同業種との連携を兼ねた効率化などの目的から作られたCADシステムのことで、具体的にはコンピューター内に建設または造形を目的とした立体の構築物を部材やパーツを用いて作り込み、3次元のモデルとしてデータ(情報)を活用する手法のことを表します。

以前より建築設計は手描きからパソコンに移り変わり2次元(2D)で図面を描くことが主体となってます。もちろん現在においても2次元で図面を描くことは多くの方が行っているところです。そのような中、当室では1枚づづ図面を描いて整備して行くことの煩わしさと、設計者本人による立体を意識しながら計画を遂行していくことへの興味と合わせ、エンドユーザー様への計画提案から図面作成までを一元利用できるBIMの存在に関心を深め、2018年より設計業務全般の8割をBIMによる設計体制へと変換致しました。

屋根の構造架構を可視化した小屋組みの構造パース画像

BIMによる建築設計の特徴は何と言っても計画の可視化。完成された建築物はデザインとなる意匠が視覚により認識されますが、完成物にはデザインや意匠といった表面的なものだけではなく構造や設備といった必要不可欠なものにより成り立っています。BIMではその過程をモデルに部材を入力させながら全てを視覚化します。上の画像は現在計画中の住宅の小屋組み部分の構造をモデルを通して見ている画像です。小屋面に取り付けられる小屋筋交いと雲筋交いが近接交差するため部分を見ながらどちらを手前にするか奥にするかを判断し見極めながら設計を進められるのもBIMならではの醍醐味です。

水栓器具を立体化している過程を説明する画像

その一方、設備部材などは設備メーカーからBIM化されたデータをダウンロードすることで図面にモデルを反映させることが可能ですが、たまにユーザー様から要望された製品の一部においてメーカー側にBIM化されたデータがないこともあり、その際は2次元の情報を落とし込みモデルを一から作るようにしています。上画像はキッチンのタッチ式水栓のモデルですが、曲面形状により知恵を絞り出しながらモデル化させたものです。この辺りはメーカーさん側にもう少し頑張って欲しいところではありますが...。

BIMにて作成された住宅内部の照明イメージパース画像

こちらは上記同様、現在進めている住宅計画のモデルです。建物を縦切りし奥行方法に照明要素を加えレンダリングしてみたものです。このようにBIMには建設前から完成後の室内の様子の全てまでを見ることも出来ます。ここまでさらっとお伝えしましたがここまで使えるようになるまではとにかく入力を行いながらトライ&エラーを繰り返し、なぜそうなるかとシステムの仕組みに向き合う根気も必要です。が、このあたりまで使えるようになると設計者としてBIMの恩恵を感じることが出来ます。

新建ハウジング月刊誌アーキテクトビルダー8月号掲載の表紙のアップ画像。表紙のテキストの中に図面が掲載されてある。

今号の表紙を何気に眺めていたら文字の中に当室で提供したBIMによる設計図が印刷されてありました!編集局からは知らされていなかっただけに驚きましたがなんとも有難い思いです。当室の特集は紙面中程5ページ分の内容になっています。ご興味の方は良かったらお手に取りお読みください。