石川県能登半島で起きた地震。発災から11日経過した現在も被災地の各地で自衛隊や救助隊による懸命な救助活動と支援活動が進められています。一方、土砂災害によりインフラそのものが被害を受けたまま孤立化した地域も多くある状況で、一刻も早い救助と支援活動を見守っています。
今回発生した能登半島における地震からまず一番に感じていることは「地震は繰り返し起きる(起こる)」ということ。今回地震に際し能登半島における過去に起きた地震を調べてみると1700年台と1800年台に一回づつ、1900年台に入り3回、そして2000年台に移り今回の地震を含めて4回と合わせて9回も起きていたことが記録に遺されてます。日本には多くの活断層が存在しその全てとは言えませんが周期的に活動する地下プレートの変動によりひずみが溜まりその反発により地震が繰り返されています。そのように捉えますと今現在大きな地震が起きていない地域や場所においてもこれから先のことにおいては災害が起きてもおかしくない可能性を考えてみる必要性を感じます。
とは言え、大きな揺れが来た際には誰もが不意を突かれ、揺れの怖さの中で身動きも困難になりながら避難することの難しさをあらためて感じさせられました。つまり、発災時に人は身動きが出来ないほどにとても弱い存在になってしまうということ。そういったことから考えると天災は起きることが前提であると捉え、発災時いかに身を守りながら避難に至れるかに備えることが大切なことに思えます。そのためには今置かれた環境の中で弱い部分を知り、可能な限りの回避策を見出していくことが望ましいと考えます。
□防災から減災
「防災」の意味は文字通り、災いを防ぐこと。しかし先ほどお伝えしたように天災は起きることが前提であるという捉え方に従えば、災いそのものを防ぐことは出来ません。一方「減災」はいかがでしょうか。実は「減災」とは2011年に起きた東日本大震災以降近年の防災意識の中から生まれてきた用語。言葉通りに解すれば減災は「災いを減らす」ということで、起きることを前提に出来る限りのことをする、という意味で捉えれば理解しやすいワードです。そして近年この「減災」をキーワードにいかに災いを減らすかという観点で行政団体や企業等にて取り組みが進められています。そこでどこの地域でも今出来る非常時の減災のために役立つサイトやツールを6つご紹介します。どのサイトやツールも今現在住んでいらっしゃるお住まいの家屋や地域での災害発生時の被害リスクの予測などに役立つツールです。サイトの紹介内容は最小としますがそれぞれに各サイトへのリンクを記載致しますのでどうぞご活用ください。
□誰でもできるわが家の耐震診断
まずは今住んでいる家の耐震性がどれくらいあるのかを知るツールをご紹介します。こちらは一般財団法人日本建築防災協会から一般の方向けに問診形式で現在のお住まいの耐震性について評点方式で判定してくれるもの。途中よく分からなくても問診が進められるようになっています。評点が低い場合はお住まいの地域の自治体に相談の上耐震診断士の免許証を持つ専門家に依頼することをお勧めします。
誰でもできるわが家の耐震診断「一般財団法人日本建築防災協会」
https://www.kenchiku-bosai.or.jp/taishin_portal/daredemo_sp/
□国土交通省ハザードマップ
続いて国土交通省から提供されているハザードマップポータルサイトです。こちらは日本全国各地域ごとにその土地(地域)における災害時の被害想定範囲の様子を見ることが出来るサイトです。その地の住所もしくは地点からその場所での洪水や高波の他、津波から土砂災害の予測までを見ることが出来ます。
国土交通省ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/
□NHK全国ハザードマップ
こちらは上記国土交通省ハザードマップと同様の全国版ハザードマップです。概ね国土交通省と提供内容は変わりありませんが、NHKでは内水氾濫についての情報も一部掲載されてあります。
NHK全国ハザードマップ
https://www.nhk.or.jp/campaign/w-hazardmap/
□内閣府 減災のてびき
こちらは内閣府防災情報のサイトからの紹介です。ページ後半で閲覧とダウンロード可能な減災のてびき(PDF形式)ではわかりやすいイラストと共に「今すぐできる7つの備え」が詳しく紹介されています。
内閣府 減災の手引き(減災啓発ツール)
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/keigen/gensai/tebiki.html
□内閣府一日前プロジェクト
同じく内閣府防災情報のサイトからの紹介です。「災害の一日前に戻れるとしたらあなたは何をしますか?」との見出しで紹介された内容では、実際発災時になって気づかなかったり困ったり後悔したりしたことなどがエピソードとして紹介されてあり、避難時及び災害時に役立つ情報が紹介されています。
□人と防災未来センター
こちら阪神淡路大震災記念「人と防災未来センター」から提供されている減災グッズチェックリストです。非常時の際に備えに持ち出し物としての減災グッズを「携帯」「持ち出し」「備蓄」という3つの備をリスト形式で細かく確認出来るツールとなっています。リストは印刷利用出来るようになっています。
減災チェックリスト「人と防災未来センター」
https://www.dri.ne.jp/useful/checklist/
備えあれば心配少なし
災害および非常時について役立てて欲しいサイトやツールを簡単にご紹介致しました。今回記事ではお伝えは省きましたが、建物補強以外にも室内の家具や棚を固定したりすることも立派な減災の一つであり、家族や近隣等もしくは地域間で非常時の際にどこにどのように避難し合うかを話し合いを行うこともその一つだと思います。備えあれ憂いなしという言葉があるように、少しでも備えておくと心配も減り心強くなれるものです。まずはご自宅を中心に出来ることから始められることをお勧めします。