宮崎県児湯郡の建築設計事務所「とやま建築デザイン室」

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LifeForest Project

看護小規模多機能型居宅介護 LifeForest  建設プロジェクト


児湯郡木城町にて訪問看護サービスを運営する事業所「訪問看護ステーションLife・株式会社RE-PLUS[リプラス]」。その株式会社RE-PLUSが
新たに同町内で事業展開の場とする「看護小規模多機能型居宅介護 LifeForest」の建設計画のプロジェクト。株式会社RE-PLUSの「ひとり一人の生き方を大切に」という理念に沿って、地域医療に貢献するための新たな場を計画して行きます。竣工予定は令和3年1月末。計画の進捗に沿ってプロジェクトの様子をお伝えします。 

  08 土工事 (2020年10月15日更新)NEW!

地鎮祭も終わりこのステップからいよいよ本工事。建築工事の最初に行われるのが基礎を地中に埋め込むために施す土工事。このステップでは土工事の模様についてお伝えします。

基礎はベタ基礎ですが立上り基礎の根入れ深さは砂利下で570ミリ。一方床スラブ下は砂利敷を合わせ200ミリの深さ。基礎部分と床スラブ部分で大きなレベル差がつく形状です。

根入れ後基礎部分の下に捨てコンクリートを打設し、床下部分の砂利は転圧して締固め。1階部分の規模は80坪。通常の住宅が30坪程度とするとやはり大きな規模です。

土間下の配管施工および砂利敷きの転圧後に行われた床部分への防湿シートの敷き込み。今回は床断熱工法での予定ですがシートの重ねは通常よりゆとりを見て250ミリの重ね幅としました。

  07 工事着手 (2020年10月9日更新)

前回実施設計完了のステップから3ヶ月。その間詳しいステップの進捗はお伝えしていませんでしたが、工事業者への見積り依頼から業務選定のための入札執行、その後見積り金額の調整、及び各種申請業務などを経てようやく工事着手を迎えました。このステップから工事状況のステップをお伝えして参ります。

工事着手に先立ち、工事の安全を祈願して地鎮祭が行われました。建築主であるオーナー様と工事を行う建設会社様、そして工事監理者となる設計事務所と3者参加しての地鎮祭。今回はコロナ渦の中でもありマスク着用の上参加人数も絞り少人数にて執り行われました。

地鎮祭の目的は土地の神様にご挨拶し、その土地の邪気を祓い清めこれから始める工事の安全と築かれる建物や事業の繁栄を願うために行われます。拝礼や散供を通じ関係者全員で工事の安全を願いました。

  06 実施設計完了 (2020年7月01日更新)

4月から着手した実施設計。先月末で全ての設計図書をまとめ上げ、設計業務の区切りを迎えました。

実施設計の構成は建築主体工事となる建築図(意匠図)の他、建築躯体を表す構造図、空調や給排水、電灯や消火設備を表す建築設備図の3つ。今回は建物規模が300㎡を超えるため総数138枚の設計図となりました。描いている立場とは言え改めて紙に打ち出してみると違った意味で重みを感じます。

また、今回は行政を通じての事業計画の補助金を利用する目的から設計数量や単価根拠となる積算書も作成。そのため、通常の設計業務に加え3週間程積算の拾い出し作業に時間を要することとなりました。

設計図書が完成した後日、オーナーの川名さんご夫妻を事務所に招き設計図書完成をご報告。この枚数の図面を見るのは初めてのことだったようで驚かれたものの、その必要性を伝えご納得された様子。1枚1枚図面を開きながら設計内容の説明を行いました。

設計図書完成と共に現在、今月開かれる予定の工事業者選定入札に向けて建設会社様で見積もりを進めています。合わせて建築許可に向けて確認申請の準備も同時に進めています。着工は来月初旬の予定。着工まで無事に事運びが出来るよう見据えながら進めて行きます。

  05 プレゼンから実施計画へ (2020年4月02日更新)

前回のステップから一月以上が経ちました。前回ステップから更新は控えていましたが、オーナー様をはじめ各種方面での打ち合わせを重ねました。今回はその模様から現在までのステップをお伝えします。

プレゼンが済んだ後日、建設予定地で地盤調査を行いました。天候は晴れ。調査に先立ち建物が立つ部分に地縄を張り調査日を迎えました。

地縄を張った場所から計画中のそれぞれの位置を確認。まだ形がないためここは頭の中にあるレイアウトと目の前の風景を擦り付けながら完成のイメージを空想します。

今回行った調査は住宅工事ではおなじみのSS(スゥエーデンサウンディング)地盤調査。SS調査は簡易的でありながら地層構成の読み取りが的確で頼りになります。通常住宅では中央含めて5ヵ所の調査ですが、今回は計画規模が大きいため12ヵ所のポイントを調査しました。

調査中のスクリューロッドを見ると砂混じりの粘性土が付着し粘性土と砂質土で構成する地盤であることが伺えます。元々建物が建っていた用地なので問題はないように感じつつ調査様子を見守りました。

調査中調査機のモニターでデジタル表示される調査データを確認。モニターは見えづらいですが地層の支持力はまずまず。調査終了の後日、調査結果が手元に届き今回の敷地では適切な支持力が得られ補強の必要はないとの調査結果となりました。これで地盤については安心して進められます。

  打ち合わせ  

ここからは計画について進めた打ち合わせの記事です。

今回の計画では建物と同時に外構造園(庭)も同時に予定しています。今回オーナー様からのご意向でオーナー様がお付き合いのある㈲グリーン工房さまが造園工事を担当予定。オーナー様を交え計画図に沿って造園工事について打ち合わせを進めました。

計画に先立ち制作していた模型でも造園部分に施しを行っていたので、模型を見ながら場所ごとの造園内容について意見交換。造園の分野は専門外でありますが、造園は建物を引き立ててくれる重要な存在。どんなものが出来上がるのかと興味が湧いてきます。建物と合わせてこれからの楽しみの部分です。

  床材打ち合わせ  

続いては床材についての打ち合わせ。床材についてはオーナー様より温かみのある木を効果的に使いたいとの意向により当初から無垢の床板が話題に上がりました。その一方、今回の建物のサービス上高齢者を招く場所になるため車椅子などの利用に対し気を配る必要があることも同時に考えなければなりません。そこで今回は耐久性にも優れた広葉樹の中から床板を選定することとなりました。

オーナー様の意向で様々な樹種を用意し最後に落ち着いたのがこのオークの床材。オークは日本名ではナラ:楢材にあたり比重もあり耐久性には定評のある樹種のひとつ。かつ、表面の強度もあり見た目的には木目が表れ木材として表情も感じられる床板です。

打ち合わせ用で準備した床板をオーナー様に触れてもらいながら質感や色合いを確認。天然木の場合は木材特有の節や木目の他色合いなど何ひとつ同じものはないので現物に触れ確かめることは特に重要なこと。そうした意味で床板選定については何度も打ち合わせを重ね樹種を選んで頂きました。吟味に吟味を重ねた分、温かみのある空間が生まれるといいです。

 実施設計へ 

前述の基本計画の打ち合わせを終えていよいよ実施設計のスタート。詳細図面作成のため3Dモデルに再度必要となる属性データの入力を始めました。これから一ケ月は実施設計作業のため更新作業は再度控えさせていただきます。実施を終え次のステップに入りましたらあらためてお伝えして参ります。

完成イメージの立体図。次回ステップに続きますm(_ _)m

  04 提案 (2020年2月15日更新)

前回ステップまでのプロジェクトの初案を整えた後日、建主であるオーナー様をデザイン室に招き、初案のプレゼンを行いました。(※今回のプロジェクトはオーナー様の理解と了解を頂いて、打合せの風景も公開しています。)

プレゼンの日を迎え用意したプランと模型をオーナ様に提案しました。模型はやはり優秀なツール。言葉で伝えるよりも視覚効果のお陰でどんな建物かが容易に伝わります。建物周囲に施した植栽も相まって、模型を楽しそうに眺め提案を気に入って頂いた様子のオーナー様。送迎用に使われる車の模型まで作っていたので、お互いの緊張も解れ和やかなプレゼンとなりました。

その後模型の屋根を取り外し内部の作りについて互いにディスカッション。こちらからレイアウトに沿って場所ごとに計画の内容を説明。途中途中まだ定まっていないいくつかの確認事項を投げかけ、模型の上で互いに意見を出し合いそれぞれの場についてつながりや目的、計画の方向をあぶり出して行きました。

模型でのディスカッションを終えた後、紙の計画図に戻り再度プランについての内容を確認。今回の提案は細かな部分を除いて建物全体のレイアウトと形を定めるためのステップ。この後、提案の内容を確認し、プランへの同意を頂きました。

ここまでが企画提案のステップ。次のステップから提案に対し肉付けをする基本計画のステップへと進んで行きます。

  03 計画案 (2020年2月8日更新)

敷地確認後、オーナー様とのヒアリング事項を元に計画案の作成に着手しました。

まず外構で必要となる車の出入りや駐車場ボリュームを見込みながら建物を中央に描き、建物形状は敷地形状より南北に伸びる方型のフレームから構想を始めました。所要室が多く要求されるため建物外周部に各所要室のスペースを配り、動線は中央に貫くようなレイアウトを考えました。

階構成の検討では当初すべての所要室を1階のみで検討したものの、動線の距離が長くなる上、建築面積が大きくなり予算にも影響が及びそうになるため、主用途となる介護サービスのエリアを1階に配し、管理側となるスタッフスペースは2階部分の一部に計画。スタッフの予定人数や必要スペースを割り出しながら全体ボリュームの範囲を詰めて行きました。

高さ方向の計画図。平面計画で一部2階建てとする構想に基づき、床高、階高、軒高さを検討。ただ一部2階建てとする場合、総2階建てに比べ外観のバランスが図り難いため、1階と2階が屋根面で連続し建物が一体的となるような構想を重ねました。

  計画案  

基本構想から作成した平面計画案

1階の計画図です。計画面積は1.2階合わせて347㎡(105坪)の規模です。まず駐車場計画は敷地西面からの出入りとし建物南側(図面左側)に利用者専用の駐車スペース9台を確保。一方、看護員となるスタッフさん専用の駐車場は西・北側の道路面に沿って20台分を配置。メインとなる建物の外周に植栽帯を配置し、コンセプトである「緑を感じられるような空間」を計画。アプローチは敷地南からの出入りを利用者とし、北側にも出入り口を設け北側は管理専用として計画。内部のメインとなる利用者の通いスペースを建物の中央に置き、通いスペースに囲まれた外部テラスを設け屋内外を通じて利用者がそれぞれの場で自由に時を過ごせるような場を計画しました。

続いて2階の計画です。2階は利用者スペースはなくスタッフ及び運営側としての業務スペースを計画。20名のスタッフスペースをメインにオーナー専用のスペース、そのほかトイレやカウンター式の休憩コーナーを設置する計画です。

  CGモデル  

CG(コンピュータグラフィックス)での計画モデル

2Dの計画を元にCG(コンピュータ グラフィックス)での3次元モデルを作成。こちらは上空から俯瞰した計画図です。周囲は商工業の事業所と住宅街とに囲まれる敷地ですが、3面が道路に囲まれているため日当たりは季節を通じ良好な場所。道路からのアクセスも良く利便性においても期待出来そうな立地です。

メインエントランス側から見た外観。エントランス部分の車寄せの屋根は利用者送迎の際に雨を凌ぐ空間とし、車高は満たしつつ軒高は控えめとし抑えた構成。メインとなる建物の屋根は1階の片流れと2階の切妻屋根の組み合わせとし、桁行き方向に屋根が重なる合う構成の外観です。

南側から見た外観イメージ。外観仕上げはこの時点ではまだ未定ですがオーナー様と木を外部にも使いたいとの意見は一致。ここでは正面にサインの入った木の格子壁となるデザインで描いています。

断面方向のイメージパース。1階部分のフロアは全室段差なしとし車椅子ですべての場所に移動出来る計画。1階の外周部分に植栽を施しどこからでも屋外の緑が近くに感じられるような計画とします。2階はスタッフ専用の一室空間。2階建てによる圧迫感を抑えるよう軒の高さを5,800mm程で計画しています。

  模型  

コンピュータでの立体図でもイメージの把握は出来ますが、模型での検討も大事な要素。ということで計画案作成後、模型も作成。模型では肉眼で建物を先に見る疑似体験が出来るため、より事前に各構成がどのように関係しているかを見ることに役立ちます。

今回の計画はコンセプトの中に外の緑を活かすことが設けられているため外部には積極的に緑化を図る計画です。それぞれの窓からどのような緑が望めるのかとても楽しみです。

ここまでが計画案作成のステップ。これからオーナー様へ計画の提案です。次回ステップへ続きます。

  02 敷地 (2020年1月21日更新)

今回の計画は前述したようにスタート時点では候補地が定まっていない中から相談が始まりましたが、候補地が決まるまでは紆余曲折を要しました。相談が始まってまもなくオーナー川名様が最初に見つけられた土地があったものの売り主側の都合でキャンセル。次の候補地から川名様といくつかの候補地を一緒に見て廻り、立地条件の良い候補地を地元の方から紹介して頂いたものの、隣地事業主側からの意向を得られず断念...。町側への事業公募締め切り日も迫る中、4番目に紹介された用地で地権者及び近隣地権者との合意も得られ、ようやく計画地となりました。

写真が計画地に決定した敷地。敷地は町内商工事業所と住宅街が隣接する中にある開けた場所。近隣に背の高い建物はなく日当たりは申し分なく良好な場所です。敷地の広さは登記上で1350㎡あり坪換算では400坪の広さ。最初に示された要望の広さ(400坪)と同じ面積で満たされています。

敷地は南北に長い長方形の形で南側は水路を挟んで県道へ隣接。東側は隣地と接し西側と北側2面が道路に接した用地です。日当たりも良い上、道路2面が利用出来る用地なので事業用の用地としては非常に良い敷地と言えます。以前は他の事業用事務所地として使われていたため道路から少し高く整地され、道路面には側溝とフェンスが残されています。


敷地内の様子も確認。こちらは既存で使われていた13ミリの水道メーター器。今回は介護用事業で水を多く利用するためそのまま使うことは出来ず、本管からの引き直しと口径のサイズアップが想定されます。

こちらは公共下水利用のための汚水桝。こちらも既存で使われていたものですが、こちらは本計画でも利用出来るため位置をスケールにて記録。事業用の場合は浄化槽容量も多大なものになってしまうので、下水が利用出来る環境はとても有り難いです。

紆余曲折した候補地もなんとか公募前に決まりひと安心しここから建築計画のスタート。
まずは全体の配置計画から。敷地条件を活かしながらこの環境に喜ばれる計画を進めて行きます。

  01 オーナー様との初面談 (2020年1月11日更新)

計画主となるオーナー川名様(訪問介護ステーションLife 代表者)との出会いは、設計者(外山)と同じ町在住で、共に商工会役員を勤めているご縁から計画についてご相談を受けたことが始まりでした。相談当初は建設用地もまだ決まっていなく、新しい事業内容へのビジョンやヒアリングを行いながら、建設を望む建物について大まかにどのような建物にしたいかや、どんな場とするのが望ましいかなど進むべく方法性を探りながら話し合いが行われました。

オーナー様との面談風景
オーナー川名様との面談風景

 

面談にあたり川名様から計画内容についての想いやイメージを伝える要望書を受け取りました。以下川名様からの要望書の一部です(公開了解済み)

建物についてのイメージ図
事業内容についての概要書

要望書には通いや入浴、食事といった利用者の滞在についての希望や要望が示され、図の方では建物と訪問や送迎のイメージが描かれていました。この他に計画案について下記の項目の希望が上がりました。

■全体計画について
土地の規模:400坪(初回面談時は候補地未定)
建物規模 :100坪
建物名称 :看護小規模多機能型居宅介護事業所Life Forest(仮称)
役割   :木城町で在宅生活を本人が望むまで続けるために、訪問、通い、泊まりの複合的医療福祉サービスを提供する事業所とする。
内部イメージ:緑を通り抜ける風を感じることが出来るような明るい居心地のよい空間
外観   :田園風景に馴染むカフェのような外観
内装   :建物の中心にヤマボウシやモミジを植栽した中庭がある

■内部計画について
必要居室 :居間6帖✕3室、休憩室と兼用の間仕切り可能な室4.5帖✕2室、看取りにも配慮。
通いスペース:広さ30帖(最大定員15名)
調理スペース:通いスペース内に対面型で配置、将来的に配食サービスも行えるよう2名が作業出来る広さを確保。衛生面の配慮。
訪問介護、介護、居宅事業所スタッフスペース=20帖(日勤スタッフ最大20名)
浴室:広めの空間とし、個浴と特殊浴の2ヵ所を壁ではなく間仕切りで仕切る。介護負担を考慮したリフトや介護ロボの導入。
トイレ:障害者対応トイレ✕2(壁と便座位置関係が逆になるものを1つづつ)、スタッフ用トイレ2つ(男子✕1、女子✕1)小便器でなく便座式。
社長、事務長専用のプライベート空間。

■屋外計画についての要望
悪天候時の送迎や導線に配慮した乗降場所と駐車スペース。
駐車台数:職員用駐車場20台分、訪問車スペース13台、合計30~35台分。
訪問車両の動線、配置:日中頻回に出入りすることを想定。
屋外に建物から掃き出し窓でつながるウッドデッキスペースをもうけ、天候が良い日にはそこで食事が可能なようにする。
植栽は建物内から見えるような位置に効果的に行う。
玄関前などにも植栽を行い、建物と緑が一体になるようなイメージとする。

■その他
木城町が指定する地域密着型サービス基盤整備事業に基づく、令和元年度介護保険事業計画「看護小規模多機能型居宅介護事業所」の事業所選考選定のための公募申請を行う。(こちらは令和元年12月木城町で行われた事業所選考会で選考決定となりました)

上記の要望をもとに計画を進めることになりました。
次回以降プロジェクトのステップをこのページでお伝えしてまいります。