宮崎県児湯郡の建築設計事務所「とやま建築デザイン室」

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憧れの薪ストーブのある暮らし

引き渡し後、築4年目を経過した「石河内の家」。
住まい手の N さんのご厚意により初の「オーナーボイス」ということで住まい手レポートを行いました。
家を建てようと思ったことから建設から着工そして引き渡しから入居と住んでみての暮らしぶりや感想をお聞き取りいたしました。
レポーターはフリーライターの崎田さおりさん。住まい手のNさんからどんなお話しが聞けたのでしょうか。写真と共に住まい手の声をお伝えします。(以下、オーナー=Nさん、崎=崎田ライター)

四季折々の風景を眺められる家

崎-この家に住むようになって5年目と聞いてますが、この家での暮らしはいかがですか?
Nさん-リビングは大きな窓から差し込む光が明るくて暖かいので、家族が自然と集まってくる場所になっています。春は、遠くにヤマザクラが見えますし、いろいろな鳥の鳴き声が聞こえてきます。夏になると目の前の田んぼに水が入るので、田んぼの上を風が通り抜けて涼しいです。秋には稲穂が実ってきれいですし、四季折々の風景が、リビングの窓から見られるのがいいですね。

崎-家の中の暮らしではいかがですか?
Nさん-住んでみて気が付いたのは、冬場玄関の冷気が予想していたよりも入って来たことです。リビングには薪ストーブを置いているので、ストーブを焚けば暖かいんですが、玄関はリビングから一段(1m)下がっていたので、特に仕切りを設けなかったこともあり思ったより空気が遮断されてないと感じたんですね。(玄関の計画は当初屋根の上で空気を暖めて室内を循環させるシステムを採用していたが予算の都合で断念)。そのため、後から玄関とリビングを遮るためにロールスクリーンを設置して冷気が入ってくることを解消しました。

Nさんーまた、隣家を気にしなくていい土地なので、窓がいっぱいで明るいのが良い所なんですが、冬の昼間は陽が入り過ぎて暑く感じる時もあります。そこで、リビングの上部の窓にもロールスクリーンを設置しました。朝日が入り過ぎてまぶしいときがあるので、東側の窓も同じように太陽光線の入り具合を上手に調節して快適さを保っています。

炎の揺らぎを愉しむ家

オーナーのNさん

 

崎-冬場は薪ストーブで室内を暖めていると言われましたが、薪ストーブのある暮らしはいかがですか?
Nさん-Uターンで帰ってきたこともあり、都会での暮らし方も知っているので、せっかく家を建てるなら田舎暮らしを満喫しようと薪ストーブを入れたいというのが、設計を依頼した当初からの希望でした。山はすぐ近くにあるので、燃料の木はすぐに手に入るだろうと思っていましたし、寒さに弱いので冬に部屋を暖めながら、田舎ならではの過ごし方を楽しめる薪ストーブが良いなと思っていたんです。

崎-薪ストーブは暖房以外ではどんな使い方をされていらっしゃるのですか?
Nさん-薪ストーブは天板が利用できるものにして、料理にも使っています。パンなども焼けるとは聞いていますが、もっぱら煮込み料理をすることに使っていますね。おでんなど、天板の上に置いておけばじっくり煮ることができるので便利です。また、薪ストーブって火が燃えているところが見えるので、ただ火が燃えていくのをぼんやり見ているだけでも時間が過ぎることがよくあります。見ていて飽きないんです。

崎-そうですか!暖房以外でもいろんな使い方が楽しめるのですね♪雨の日とかでもお部屋の乾燥とかにも良さそうですね。
Nさん-はい、寒さ対策だけでなく、天気の悪い日の洗濯物対策にも有効なんです。暖かく乾燥した空気は上に行きます。そこで2階に干しておくと洗濯物がすぐに乾くので、天気が悪い日にも使います。

崎-なるほど!いろいろとメリットがありますね!これから薪ストーブをお考えする方へなにかこうしたら良いとかはありますか?
Nさん-薪ストーブにあこがれる人も多いとは思いますが、木の確保ができることと、オフシーズンの間に作った薪を置く場所があることが大事ですね。我が家の場合は、木の種類を選びさえしなければ、すぐに調達できる環境なので苦労はしていないです。また薪割りも楽しもうと思っていたので、夏場は仕事が終わってから薪作りをすることが日課になっています。いい運動にもなって良いですよ。

 

スキップフロアでつながる家

上写真:竣工時の住まい。敷地内段差(1m)をそのまま活かし計画されたスキップフロア構成の空間。

崎-とやま建築デザイン室に設計をお願いしようと思ったきっかけは?
Nさん-Uターンする前から住宅展示場などを見ていて、いつかは家を建てたいと思っていました。実家に戻ってくると、家の横にちょうど宅地にもできる田んぼが2枚あって、そこを生かせないかと考えました。2枚の田んぼの間に1mの段差があったので、段差を生かして家を建てられる方を探していました。そんな時に、ちょうどTV番組で家づくりの匠として紹介された設計士さんが地元にいると聞き、問い合わせてみるとスケジュールも大丈夫と返事をいただいたのでお願いしたんです。

崎-とやま建築デザイン室さんにはどのような設計をお願いされたのですか?
Nさん-家づくりをするにあたっての条件が、薪ストーブを使いたいことと土地の段差を生かして設計してほしいこと、屋根の上で空気を暖めて室内を循環させるシステムが使いたいという3つだったんですが、循環システムは予算の関係であきらめました。しかし、室内の空気が循環するところは設計に生かしてもらい、家全体を仕切ることなくスキップフロアを使って段差で空間をつなげるというプランにしてもらいました。冬場に薪ストーブで暖めると2階まで空気が循環するので、夜寝るときには暖かいまま寝ることができます。

崎-設計で出来上がったお住まいはいかがですか?
Nさん-どの部屋にいても家族の気配を感じられますし、子どもが小さいときは階段で遊ぶのが好きで、よくアイアンの手すりの隙間から足を投げ出してリビングのテレビを見ていました。全部の部屋がオープンにつながるようにとお願いしましたが、子どもが小さいときは、リビングを見下ろせる2階の寝室の窓から身を乗り出すと落下する危険性を感じたので後でネットを張りました。

 

庭づくりも家を持つ楽しみ

崎-これからこの家でどんな風に過ごしたいという思いがありますか?
Nさん-実は家を建てた時には、庭はまったく作っていなかったんです。でも少しずつ手を入れて庭を造り、今ではリビングとつながるウッドデッキの前には、春は菜の花、秋はコスモスが咲くようにしています。また、家の周囲には実のなる木を植えているので、収穫できるようになるまでが楽しみです。

崎-お庭の果物や野菜の成長が見られるのも楽しみですよね。
Nさん-はい、広い庭があると、何を植えようかと考える楽しみがあります。都会では、マンションや借家だったので、庭を広々と自由に使えることがなかった。だからこそ、田舎ならではの楽しさを満喫できています。また、どの部屋からも外の景色が見えるように窓を付けてもらっているので、室内が本当に明るいし、キッチンでの台所仕事や、仕事部屋での書き物など、どこで何をしていても四季を感じながら過ごすことができます。庭づくりも、季節感を考えながら、どこに何を植えようかと考えて楽しみながらやっています。少しずつ庭に好きなものを植えていけるのが、この家の楽しみと言えるかもしれません。

崎-娘さんがいらっしゃいますね。娘さんはお家ではどんな様子ですか?
Nさん-家を建てた時は、娘はまだ3歳で小学校にも行っていませんでした。今はもう小学生になり、宿題などの勉強をリビングでするようになったので、照明をもう少し明るくなるようにしておくと良かったかなと...。ですが、卓上ライトで解消しようと思っています。

崎-これからどのように暮らして行かれたいですか?
Nさん-トイレや浴室以外は、仕切りを設けずつながっているので、どこにいても気配を感じる造りですが、やっぱり家族全員リビングで過ごすことが多いです。明るくて暖かいリビングのおかげで、隣に住む実家の母も、我が家のリビングで過ごしていると帰りたくないみたいです(笑)。これからも家族がいつも集いたくなるリビングで、季節を楽しみながら過ごしていきたいです。

レポート編集後記

聞き手:崎田さおり(フリーライター)

Nさんのお住まいはリビングに入った時に不思議な開放感がある家でした。その不思議さの理由はすべての部屋の窓の割合が圧倒的に多いせいでした。通常なら隣家や道路とのプライバシーを考えて明り取りとして考えた窓や、大開口の窓を付けても道路からは見えないように目隠しを作るなどされますが、その対策が必要ないのです。だから、窓から自然のままの景色を楽しめるという贅沢ができます。ただ、オープンにしっぱなしではなく、リビングの大窓には3枚引き戸の障子を付けるなど、遮ることも考えてありました。

また、田んぼの段差を上手に利用したスキップフロアは、各部屋を仕切らず空間を分けるため、薪ストーブの暖かを全室に循環させることにも役立ちます。土地を有効利用するだけでなく田舎暮らしを満喫したいという思いを形にした設計ですが、Nさんご夫妻のお話から、実際に季節を楽しみながら暮らす姿が目に見えました。

設計者:外山 秋人(とやま建築デザイン室)

4年ぶりにお伺いしたNさんの住まいは、Nさん家族の手により多くの場所に雑貨や趣味の水槽などが置かれ、良い意味で個性ある豊かな住まいへ移り変わっていました。念願だった薪ストーブの暮らしも生活に密着したものとなり、火のある暮らしの豊かさをあらためて感じました。一方、玄関部分の冷気の移動や陽射しの侵入量などは、温熱面で今後の設計に活かすべき対策として得られました。幸いNさんがご自身で薪を調達したり、スクリーンを付けられたりと出来る方だったため、設計者としては頼もしくもあり、今以上に住まいという器への愛着を深めるものになればと思いながら今回の訪問を後にしました。次回訪問の際の住まいの変化と暮らしぶりがまた楽しみです。

住まい手撮影:尾山 俊樹  株式会社エフ・オー・アール