YKK-AP主催のA-PLUG「Live Stream Forum 2020 」によるオンライン配信セミナーに参加しました。本日ストリーミング配信されたのは「性能住宅」に関わるものと「コロナ禍で変貌する住まいへの変化」のふたつ。時間の都合から「性能住宅」に関わるものだけを拝聴しました。
本日ストリーミングで登壇したのはEee works代表の日下洋介氏。
演題として「性能の先の豊かさを考える」を掲げ講演されました。動画ではご自身の設計活動より現代の住まいづくりについて求められる性能や豊かさについて、氏の活動事例をもとにその目的や必要性を言及。
日下氏による「機能性とかたちの美しさを両立する設計手法」については、形だけの美しさだけでは豊かさは成立しないとの主張で、この部分に関しては当室の活動において同様に取り組んでいる部分で共感出来ました。
講演の後半では「住まいの性能を数値化して伝える」という点が紹介され、経験と勘で伝えることは説得に近いとの解説。一方、数値で明示して伝える手法は、納得、という提言。これは大変わかりやすい解説。説得と納得は似ているようで大きな違いがありますから、勘や感覚だけでなく根拠のあるもの=数値、を示して伝えることが重要なことだと感じました。
当室でも取り組んでいますが、今は省エネを数値で見える化するための便利なツールやソフトも多く登場し、日射取得量から熱損失の他、暖冷房エネルギーの算定まで示すことが出来ます。ツールが登場するまでは、イメージや感覚のみで伝えることしかなかったので、こんな感じ、といった曖昧な表現でしか伝えられませんでした。
来年からは省エネ法改正も施行され、建築主に対して省エネ適合性判定の説明義務化もスタートします。新しい制度が始まる動きには業界内でも反発や不安も多くありますが、提案を確かなものとする上では双方共に必要なものと考えています。そのためには設計者自身も日々研鑽であり、変化に対して学ぶ姿勢がこれからより求められていく時代だと考えます。
短い時間での拝聴でしたが、事務所に居ながらの参加により感染リスク0で安全に受講出来たことも新鮮でした。次回講演も時間の都合が合えば楽しみにしたいと思います。
文/外山 秋人